例大祭(たたき祭り) 7月第4日曜日
たたき祭り
夏の眩しい太陽が青々とした田の面に降り注ぎ、あたりの木立からは蝉の声が聞こえる頃、榊山神社の境内からは祭囃子が聞えてくる。
この榊山神社は、福岡のほぼ中央に位置し、西に二つ森山を仰ぎ、東西には遠く恵那山をひかえたなだらかな山裾のこんもりとした森の中にある。
この神社の祭りは毎年7月20日(現在は第4日曜日)に盛大に行われる。
祭りの当日は氏子の方々が羽織、袴に裃、菅がさを身につけ、御神体である「金の幣束」を白い布(絹(きぬ)垣(がき))で四方を囲み境内を一周する。
それが終わると、手にした榊の枝で参詣の人々一人一人叩き歩くのである。そこには無病息災の願いが込められ、心清められる一瞬があるのだ。やがて
里から出された山車が参道に入ってくる。その前には、白の装束に袴を着けた人々による神楽の一団が進む。その音色は豊かに開けた福岡の地の隅々ま
で吸い込まれるかの如くである。人々はこの祭りを心のふるさととして受け継いでゆくのである。